このサイトではUnityというゲームエンジンを使ったゲームの作り方を解説しています。でもゲームを作ったことがない人は「ゲームの作り方」といってもピンとこないと思いますので、ここでゲームの作り方の概要について簡単に説明します。
ゲームってどうやって作るの?
まず皆さんが思うであろう疑問が「そもそもゲームってどうやって作るのか?」ということだと思います。ただしこの疑問はちょっとザックリしすぎているので、説明しやすくするために次の2つの疑問に分解してみます。
- ゲーム制作ではどんなソフトを使うのか?
- どんな手順でゲームを作っていくのか?
そもそもゲームはソフトウェアですから、何かしらのソフトを使って作ることは分かると思います。また、そのソフトを使ってどんな手順でゲームを作っていくのかも気になるところですよね。
これらの疑問について以下で詳しく説明していきます。
代表的なゲームエンジン「Unity」
ではまず「ゲーム制作でどんなソフトを使うのか?」ということについてですが、一般的には「ゲームエンジン」と呼ばれるソフトを使います。ゲームエンジンはゲームを作るときに便利な機能をたくさん持っているので、それを使うことで効率よくゲームを作れるのです(※中にはゲームエンジンを使わない猛者もいます)。
それで有名なゲームエンジンはいくつかあるのですが、その中で今一番使われているのが「Unity」です。Unityはジャンルを問わず色々なゲームを作れるゲームエンジンで、主に次のような特徴があります。
- 個人ユーザーならほとんどの人が無料で使える
- 2D/3Dゲームのどちらも作成可能
- 強力な物理演算機能を搭載
- クロスプラットフォーム対応(=PC、スマホ、ゲーム機などで動くゲームを作れる)
- アセットと呼ばれる追加機能・素材集がとても充実している
こういった特徴をすべて備えたゲームエンジンは他にほぼないと言ってもいいくらいで使いこなせればとても便利です。プロの現場で使われているという実績もありますし、個人的にゲームを作るならUnityを勉強しておいて損はないと思います。
ゲーム制作の流れ
さて、次に「ゲーム制作の流れはどうなっているのか」を紹介します。例えばアクションゲームを作るときは、私はだいたい次のような流れでゲームを作っています。
- どんなゲームを作るかを考える
- 素材を用意する
- キャラクターの動きなどを実現するスクリプトを書く
- 2と3を組み合わせてキャラクターを作る
- デバッグ(=バグがないかをチェックする作業)を行う
- ゲームの裏方部分を作る
- ステージを作る
- テストプレイして難易度などを確認する
- ゲームをビルド(=実際に遊べるファイルに変換)する
- 実際に通しプレイして最終チェックを行う
- ゲームを公開する
※一応番号を振っていますが、順番が前後したり同時並行で行うこともあります。
ゲーム制作では、まず「これからどんなゲームを作るのか?」をじっくり考えます。これから作るゲームについてあれこれ妄想し、アイデアを膨らませつつも実際に作れるレベルに落とし込んでいく、という作業を繰り返していきます。この作業はとても楽しくて、いいアイデアを閃いたときは物凄い快感がありますが、同時にかなり頭を悩ませる作業でもあります。というのもどんなにいいアイデアも実現できなければ無意味なので、必ず「どうやったら実現できるか?」を考える必要があるからです。
次にアイデアが固まったら実際にゲームを作っていきます。
アクションゲームであれば最初はキャラクターを作ることが多いです。キャラクター制作ではまずキャラクターの画像などを用意して、それからプログラミング言語を使ってスクリプト(演劇で言うと台本のようなもの)を書いていきます。基本的にUnityではキャラクターの動きなどは自作する必要があり、普段当たり前だと思っている移動処理なども自分でスクリプトを書いて一から作るのが普通です。最初はキャラクターをまともに動かすだけでも苦労することでしょう。
キャラクターができたら挙動がおかしくないか等をチェックし、それからゲームの裏方部分を作ります。「ゲームの裏方部分」というのは例えばゲームオーバーになった時に「GameOver」と表示したり、クリア時にステージを移動したり、必要な時にBGMを鳴らしたりする処理のことです。Unityではこの部分も自作する必要があります。
そうしたらあとはひたすらステージを作っていくだけです。ただステージの構成を考える(※これをレベルデザインという)のは結構センスを要求されるので、慣れないうちはなかなか難しいかもしれません。きちんとクリアできるか、難易度は適切かなどをチェックするために何度もテストプレイすることになるでしょう。とても手間のかかる作業ですね。
さて、ステージが一通りできたら完成は目前。ゲームをビルドして実際に公開する形式のゲームデータを作り、それで遊んでみて「遊んでいて楽しいか」を最終確認します。
これで特に問題がなければ晴れてゲーム完成です。説明書を添付してゲーム公開サイトなどで配布します。
以上がゲーム制作(ここではアクションゲーム)の流れとなります。ちなみに完成までにかかる時間は、ゲーム内容によってかなり差がありますが短編でだいたい50~200時間くらいですね。長編だと普通に1000時間以上かかる場合もあります。「そんなに時間がかかるの?!」と思うかもしれませんが、ゲームは作るとなるとやることが多いので非常に時間がかかるのです。このことはよく覚えておきましょう。
というわけで、ここまでゲームの作り方の大まかな説明を行いました。このサイトでは実際に遊べるゲームの制作過程を一つ一つ丁寧に説明していきますので、ゲームの作り方についてさらに詳しく学んでいただけると思います。皆さんのゲーム制作のお役に立てれば幸いです。